研究課題
本研究では、2012年ごろに発表される予定のIPCC第5次報告書への貢献を念頭に置き、水と食料、両者の持続性をグローバルスケールで議論できるように、さらに今後懸念される世界の水問題に対して国際社会がとるべき施策に資するように、これまで開発してきた統合型水循環モデルをより発展的に構築し、この統合型水循環モデルを20世紀の100年分について日単位で実行し、主要なフィードバック過程や、ダム貯水池の効果、人口や経済発展、土地利用変化がグローバルな水循環と水利用にどの程度インパクトを与えてきたのかを定量的かつグローバルに明らかにすることを目的とする。さらに国家的規模で行われる温暖化シミュレーションモデルへの採用を目指し、グローバル水循環・水資源の将来像を明らかにすることを目指す。本年度は、各要素モデルの精高度化および検証データの収集を継続し、統合化を行った。統合型水循環モデルは大きく自然系水循環モデル、人間系水利用モデルに分けられ、自然系水循環モデルでは入力データの高精度化を進め、国際湖沼データベースを基に湖沼数を増やすとともに湖沼による流出の時間遅れのモデル化を検討し、乾燥・半乾燥域での表層浸透の定式化及び山岳氷河プロセスのモデル化を行った。人間系水利用モデルでは、国別統計値を基にするマクロ取水量推測モデルと、都市毎の詳細情報を用いるミクロ取水量推測モデルを用い、過去数十年の取水量変化トレンドの再現実験と検証を行い、工業用水・生活用水・農業用水モデルの改良と検証用パラメータとして過去の土地利用、人口、GDP、取水量、エネルギー消費量、等々の様々な統計値を収集・整理し、データベース化を進めた。さらに、両者を結びつけるサブモデルとして、窒素循環・水質、湖沼・地下水資源、農業潅漑のモデル、水位確保を目的関数とする発電用水ダムの操作アルゴリズムの開発・改良・適用・検証を進めた。
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