研究課題
本研究では、伝統構法の技法、技術の良さを生かし、木組み仕口・接合部などの構造ディテールの設計法とともに伝統木造建築物に高い耐震性能を与える構造設計法を構築することを目的としている。平成21年度は、(1)構造ディテールの構法と力学的解明では、前年度に引き続き、伝統構法の木組み仕口・接合部の要素実験等を実施し、特にスギ材を用いた場合の力学的特性を抽出するとともに仕口・接合部のメカニズムを解明した。古材など木材の横圧縮特性を調べ、木材の年輪傾角によるめり込み強度の分布特性を明らかにした。また、長ほぞ込栓打の柱-土台接合部の引抜き耐力を推定法を提案した。(2)構造ディテールの設計法では、伝統構法軸組の柱-横架材軸組や仕口接合部におけるめり込みや摩擦の理論モデルを構築して、仕口・接合部の解析法を導き、各種仕口の復元力特性のシミュレーション解析を行った。また、土塗り壁、小壁の細部の仕様によって損傷・破壊メカニズム、耐力発現メカニズムなどに与える影響を調べるとともに、理論解析モデルによる解析により土塗り壁、小壁の耐力評価法を開発した。(3)伝統木造建築物の構造解析法では、水平構面の変形を考慮した伝統構法木造軸組の立体的な力学モデルをもとに、伝統木造軸組全体の静的および動的解析法を導き、立体フレームの解析を行った。伝統木造建築物特有の柱脚仕様である礎石建て(石場建て)における注脚の滑りや移動に関する静的、振動台実験から、摩擦係数の評価を行った。(4)伝統木造建築物の構造設計法では、金沢市や京都府北部における伝統構法木造住宅の構造詳細調査から耐震性能の評価を行い、耐震補強法の検討を行った。また寺院建築物の補強効果に関する評価についても検討した、伝統木造の仕口・接合部や各構造要素の解析モデルを基に伝統木造建築物全体の解析法へと発展させ、伝統木造建築物の崩壊シミュレーション解析を行った。
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