| 研究分担者 |
粉川 博之 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10133050)
西田 稔 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 教授 (90183540)
井 誠一郎 物質・材料研究機構, ハイブリッド材料センター, 主任研究員 (60435146)
森園 靖浩 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (70274694)
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| 研究概要 |
本研究は,『材料磁気科学』の基礎を確立するとともに,"磁場効果・磁場機能"を実用材料技術へ応用展開するための先導的研究を行うことを目的としている。当該年度は,研究の最終年度にあたることから,これまでの研究成果をまとめ必要な補足実験を行った。得られた成果は下記の通りである。
1.粒界磁性に関する研究:前年度までに確立したTEM/EELS法による局所磁気モーメントの測定方法を用いて,純Feおよび純Niの粒界局所磁気モーメントを測定し,粒界磁気モーメントが粒界相対方位差に著しく依存することを初めて明らかにした。さらに,第一原理計算手法よる理論的検討から,粒界における磁気モーメントの増加は,粒界における自由体積と密接に関連することを明らかにした。
2.Fe-Co合金の相変態に及ぼす磁場の影響:本研究課題において設計・作製した磁場中示差走査熱分析装置(磁場中DSC)を用いて,種々の組成を有するFe-Co合金についてα/γ相変態挙動に及ぼす磁場の影響を検討した結果,磁場の印可により,変態開始温度が高温側にシフトすることを見出した。また,特筆すべき成果として,変態エントロピーが磁場作用下では減少することを世界で初めて明らかにした。
3.高炭素鋼伸線ワイヤの時効軟化の磁場による抑制効果:伸線加工された高炭素鋼における時効現第3段階における軟化現象が磁場の印可により抑制されることを見出した。SEM/EBSDを用いたパーライト微細組織の観察結果から,磁場作用によってパーライトブロックの回復とフェライト相の再結晶が抑制されることが見出された。このことが,時効軟化の抑制の原因であると結論された
4.β-Ti合金の時効ω相の析出に及ぼす磁場の影響:磁場中の時効がω相の成長促進(硬度上昇)をもたらすことを明らかにした。
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