研究概要 |
磁場作用が再結晶,相変態,析出などさまざまな金属学的現象に対して興味ある影響を及ぼすことが見出されてきた.しかし,観察される磁場効果の起源は必ずしも明らかになっていない."磁場効果"の起源について検討し理解するためには,固体内の拡散,界面・表面エネルギー,粒界磁気モーメント,相安定性などの基礎的物理現象に対する磁場の影響についての知見が不可欠であるが,このような基礎的現象と磁場との関連に関する研究は非常に少なく,決定的に基礎データが不足している.また,電磁材料プロセスは残念ながら工業的応用まで至っていないのが現状である. 本研究では,『材料磁気科学』の基礎を確立し学問体系を構築するとともに,"磁場効果・磁場機能"を実用材料技術へ応用展開するための先導的研究を行うことを目的とし,下記の諸点について研究を行っている. (1)材料磁気科学の基礎 (1)微細組織制御に関る速度論的現象に対する磁場の影響(固体内の拡散,核生成・成長,粒界移動) (2)微細組織制御に関る平衡論的現象に対する磁場の影響(相変態,粒界エネルギー,粒界偏析,粒界構造変態) (3)磁場効果に対する直流磁場と交流磁場の相違(4)粒界磁性に関する実験研究 (2)実用材料技術への応用展開
|