研究課題
本研究は、高エネルギー陽子ビームによる核破砕中性子源の放射線強度と衝撃の強い場に使用する材料の損傷機構を解明し、それらに強い材料開発を目指している。今回、水銀標的のピッティング損傷機構を超高速度カメラで観察し、バブル生成の臨界圧を見出し、ヘリウムガス挿入によって臨界圧以下にならないことによって損傷を防止できる事が分かった。衝撃損傷対応材として鋼材表面に軟層を挟んだ被覆を考案しその効果を有限要素法計算と実験によって調べた。その結果金薄膜を挟んだ被覆材で10^6回までの衝撃に対して有効性を確認した。また、衝撃試験装置で衝撃損傷を与えた材料のミクロ組織を観察し、他の高速衝撃実験での結果と比較し、その損傷が高速局所変形に基づく事を見出した。材料開発については、核破砕中性子源の3大要素のそれぞれに新材料の開発を進めた。固体標的のタングステンについては、TiCを微量添加して高靭性の超微細粒結晶を開発した。構造材については、材料中の対応粒界密度を高めることによって粒界に起因する劣化現象を抑制する粒界工学を市販のオーステナイト系ステンレス鋼に適用し、85%以上の極めて高い対応粒界密度を有する材料の作製に成功した。陽子ビーム窓の候補材としてカーボンナノチューブとアルミナ系の均一分散混合粉末の開発を継続し、混合割合2.5-15%の材料と混合割合を空間的に変化させた傾斜材が開発した。北大のマルチビーム照射施設では粒界制御材の放射線損傷特性を調べ、良好な結果を得た。また、レーザでの材料開発を行い、リップル制御技術等新機能材開発の可能性を得た。スイスPSIで照射した材料のうち、金合金と白金の機械特性を測定し、白金が照射硬化が比較的少ない事を見出した。放射線損傷評価コードシステムでは、損傷構造発達過程を解析するための反応速度論コード、材料の機械的特性を予測する離散化転位動力学(DDD)計算コードを開発した。第9回核破砕材料技術の国際ワークショップを主催した。
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