研究課題
基盤研究(S)
光受容系の発達した多くの生物は約一日周期で振動する概日時計を持ち、リズムの位相が光の制御を受けるという共通の特性を示す。これは、地球上の周期的な光サイクルの中で、光受容と概日リズムという機能が相関的に生物に獲得されたことを如実に物語っている。したがって、時計機能と光受容能の分子的な仕組みを比較解析することは、両者がどのように相互作用しながら動物に定着して進化したか、その根底の分子シナリオを理解することにつながる。本研究では、非常に短い時間スケールで空間情報を処理する「視覚」と、長い時間スケールで時刻情報を処理する「概日時計システム」を対照的な情報変換系と捉え、その光シグナリングを支える分子ダイナミズムと個体レベルでの作動原理の理解を目指す。また、光以外の因子による、いわゆる「非光」位相制御との比較解析を通して、概日時計の位相制御機構をより深く理解することを目指す。具体的には、one hybridスクリーニングおよび松果体と網膜の遺伝子発現プロファイリングにより、松果体光受容ニューロンの特異性を解明するとともに、グルコースなどの非光シグナルに応答する遺伝子の機能解析を通じて概日時計の位相同調メカニズムに迫る。
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http://www.biochem.s.u-tokyo.ac.jp/fukada-lab/