研究課題/領域番号 |
19108004
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
村上 昇 宮崎大学, 農学部, 教授 (80150192)
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研究分担者 |
中原 桂子 宮崎大学, 農学部, 准教授 (90315359)
保田 昌宏 宮崎大学, 農学部, 助教 (10336290)
上村 俊一 宮崎大学, 農学部, 教授 (90233949)
片山 哲郎 宮崎大学, フロンティア科学実験総合センター, 准教授 (30264352)
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キーワード | トランスレーショナルリサーチ / 伴侶動物 / グレリン / 摂食 / 治療 / 肥満 |
研究概要 |
基礎研究: グレリンの新たな生理作用として、ガストリンと共同した持続的胃酸分泌亢進作用を、ニューロメジンSでは、バゾプレッシンを介した抗利尿作用、オキシトシンを介した射乳作用などを見いだした。またデスアシルグレリンの受容体の存在と、その受容体が胎児期のみに発現することなどを明らかにした。 ICR系白色マウスで発見した遺伝的内臓脂肪蓄積型肥満マウス「Daruma」をc57Black/6jマウスに形質転換することに成功した(上がDaruma、下が同腹のヘテロ)。このマウスの肥満の発症原因が早期レプチン抵抗性の獲得にあることや、その原因遺伝子変異部位を同定した。このDarumaは従来のob/obやdb/dbマウスと異なり、食事制限で肥満が発症しないことや、徐々にレプチン抵抗性を獲得するなど、人のメタボリックシンドロームの肥満に類似しており、大変好個なモデル動物になると期待される。 伴侶動物における臨床研究: 合成した犬グレリンを1バイアル当たり1μmol濃度で封入し、第2回目の臨床実験を実施した(2008年12月~2009年10月)。1回目の投与量の検討や治療結果(どのような疾病に効果的なのか)をもとに、集中的に沖縄と福岡の2つの動物病院で臨床研究を行い、99例の症例に対し、64例で摂食回復効果を認め、回復や退院を早めた。犬と猫を比較した場合、犬の方がより効果的と思われた。グレリンの適応症を整理し「加療中動物の回復促進治療剤」の特許を本年1月に出願した。また、EU, USA,日本で、専門家によるグレリンの治療薬としての市場調査を行い、その結果をもとに、USAでの幾つかの製薬会社とのライセンス交渉に進んだ。
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