研究課題/領域番号 |
19108004
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
村上 昇 宮崎大学, 農学部, 教授 (80150192)
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研究分担者 |
中原 桂子 宮崎大学, 農学部, 准教授 (90315359)
保田 昌宏 宮崎大学, 農学部, 准教授 (10336290)
上村 俊一 宮崎大学, 農学部, 教授 (90233949)
片山 哲郎 宮崎大学, フロンティア科学実験総合センター, 准教授 (30264352)
永延 清和 宮崎大学, 農学部, 教授 (40264353)
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キーワード | トランスレーショナルリサーチ / 家畜 / グレリン / 体温 / 心拍数 / 肥満 |
研究概要 |
基礎研究 グレリンとデスアシルグレリンの新たな生理作用として体温下降作用、およびグレリンのみの生理作用として心拍数および血圧の下降作用を発見した。またニューロメジンSの新たな生理作用として、心拍数の増加作用と体温上昇作用を発見した。デスアシルグレリンはグレリンよりも末梢投与で強い体温下降作用を示し、これらは副交感神経遮断薬で阻止されることから、副交感神経系への作用と推測された。ニューロメジンSの中枢投与は心拍数を増加させ、一方、KOマウスは心拍数が減少していた。このニューロメジンSによる心拍数の増加は交感神経遮断薬で阻止されたことから、交感神経を介しての作用と推測された。 家畜における臨床研究 基礎研究において、グレリンとデスアシルグレリンに体温下降作用が発見されたことから、この効果を家畜において確認した。まず、和牛と乳牛において体表温度を測定すると、和牛は体表の多くが均一な温度であり、目の回りや蹄部に高い温度を認めた。一方乳牛では体表の黒い部分が高く、白い部分が低いと言うまだらの温度分布を示した。グレリンおよびデスアシルグレリンを和牛の成牛に単一投与するといずれの投与でも体温は下降した。また直腸温と目の周囲の体表体温には約10度の開きがあったが、グレリンとデスアシルグレリン投与はいずれの体温も下降させた。下降の早さは直腸温度の方が早く認められた。これらのことから、牛において灼熱下での熱射病をデスアシルグレリン投与により防止できる可能性が示唆された。
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