研究課題/領域番号 |
19108005
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
島本 功 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (10263427)
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研究分担者 |
川崎 努 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 准教授 (90283936)
WONG Hann Ling 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教 (00403353)
河野 洋治 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 研究員 (00406175)
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キーワード | Rac / 植物免疫 / Gタンパク質 / バイオイメージング / 耐病性 |
研究概要 |
植物は、病原菌を認識し様々な抵抗性反応を誘導する。しかし、病原菌認識から抵抗性発現に至る過程で、どのように信号が伝達されているかについてはあまり理解されていない。我々はイネの低分子量Gタンパク質OsRaclが植物免疫反応の誘導において中心的な役割を果たしていることを明らかにした。そこで、本研究課題ではOsRaclの活性化機構の解析およびOsRacl複合体の機能解析を通じて、植物免疫の信号伝達を解明することを目的としている。植物免疫反応におけるOsRaclの活性化を調べるため、蛍光タンパク質を利用したFRET法を応用し、細胞内におけるOsRaclの活性化を可視化することに成功した。さらに、病原菌由来のエリシターを処理し、細胞内におけるOsRaclの活性化を解析したところ、処理後5分でOsRaclが活性化されることを見出した。このことは、OsRaclが植物免疫反応の極めて早い時期に働いていることを示唆している。また、生化学的・分子生物学的手法を用いてOsRaclを含む複合体の解析を行ったところ、OsRaclは多くの耐病性関連因子と大きな複合体を形成し、機能していることがわかった。さらに、OsRacl複合体は病原菌認識受容体と強く相互作用していることが明らかとなり、これはOsRaclが抵抗性反応の初期に活性化されることを示したFRET解析の結果と一致するものであった。今後は、OsRaclの活性化の分子機構およびOsRacl複合体を介した抵抗性反応の誘導機構について、さらに詳細な解析を行っていく予定である。
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