研究概要 |
1)PAMP処理によるDefensome構成タンパク質の相互作用の解析 生化学的な手法を用いて、恒常的活性化型OsRaclは、高分子のタンパク質複合体を形成することを明らかにした。OsRaclは、PAMPであるキチンで活性化し、高分子側にシフトすることを見出した。活性化型の高分子OsRaclは、PAMPレセプターであるOsCERKIやシャペロンタンパク質であるHsp90,Hsp70,コシャペロンであるHop/Stilと複合体を形成している可能性が高いと考えられた。 2)抵抗性タンパク質の活性化によるDefensome構成タンパク質の相互作用の解析 生化学的な手法を用いて、Rタンパク質Pitの活性化に伴い、OsRaclが活性化され、高分子のタンパク質複合体を形成することを明らかにした。活性化型の高分子OsRaclは、Pitやシャペロンタンパク質であるHsp90,Hsp70,コシャペロンであるHop/stilと複合体を形成している可能性が高いと考えられた。 3)新規耐病性関連タンパク質の同定 OsRaclを用いた免疫沈降により、OsRaclの相互作用分子として解糖系酵素であるGAPC2を得た。GAPC2の過剰発現体イネは、いもち病に対して強くなり、反対にRNAiイネはいもち病に対して弱くなることから、GAPC2は、新規の耐病性関連タンパク質であると考えられた。GAPC2のRNAiイネでは防御遺伝子PAL1の発現が減少しており、GAPC2は防御遺伝子の発現に関与していることが明らかになった。また、セカンドメッセンジャーとして働くNOの処理により、GAPC2とOsRac1が核ヘトランスロケーションすることを明らかにした。
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