研究課題
サルモネラ菌が環境を感知して異物排出トランスポーターの発現を制御している制御系について研究し、インドールに応答するramA/acrABの発現誘導はRamRを介していることを解明した。また、これとは別にパラコートがramA非依存的にacrABの発現を誘導することを見出し、新たなacrAB発現誘導機構としてSoxSを介した経路を明らかとした。これらの成果をJBCに発表した。この他、異物排出による細菌の多剤耐性化に関する研究をまとめて5報の論文を発表した。構造に基づく異物認識機構については大きな前進があった。これまで、ミノサイクリンとドキソルビシン2つの基質結合構造解析から、多剤認識の構造的基盤としてマルチサイト結合という考えを提唱してきた。本年度は、より大きな分子量を持つエリスロマイシンとリファンピシンとの結合構造決定に成功して、その結合位置を特定した。その結晶構造からミノサイクリンが結合するディスタルポケット(フェニルクラスター領域)とは別にプロキシマルポケットが存在することが明らかとなった。この2つのポケットは分子内チャンネルに沿って並んており、F617ループによって区切られている。排出される薬剤はまず待機モノマーのプロキシマルポケットに結合し、次いで結合モノマーへの構造変化に伴ってディスタルポケットに送り込まる。そして最終的には排出モノマーから排出されるという「ペリスタルティック機構」を提唱した(論文審査中)。
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http://www.sanken.osaka-u.ac.jp/labs/cmb/