研究課題
ヒト変形性関節症関節軟骨細胞をIL-1で刺激するとADAMTS4の遺伝子発現が誘導され、軟骨細胞を高分子ヒアルロン酸で処理するとIL-1誘導性ADAMTS4発現が抑制された。同時に、アグリカナーゼ活性も高分子ヒアルロン酸処理で低下した。このヒアルロン酸による抑制効果は軟骨細胞を抗CD44抗体あるいは抗ICAM-1抗体での前処理で消失した。IL-1によって誘導されたIRAK-1とERK1/2のリン酸化は、高分子ヒアルロン酸処理で発現誘導されるIRAK-Mによって抑制された。これらの結果から、高分子ヒアルロン酸はCD44とICAM-1のシグナル系を介してIL-1誘導性ADAMTS4発現を抑制し、アグリカン分解抑制に働くことが初めて明らかにされた。また、カルシウムペントサン硫酸は、ADAMTS4分子と直接結合することでADAMTS4のアグリカナーゼ活性を阻害した。Cre-Lox recombination法を用いてSox9発現細胞特異的にADAM17遺伝子を欠損するconditional knockoutマウスを開発した。その結果、本マウスでは骨格の発育障害、皮膚の異常、不妊などの症状がみられるものの、マウスは9-10ヶ月間生存した。特徴的な症状である骨粗鬆症と顆粒球系細胞の増生は、血中IL-17とG-CSF値の亢進によると考えられ、ADAM17が生体内でIL-17とG-CSFの調節に関わることが示唆された。
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