研究課題
MMP-13遺伝子欠損(KO)マウスと野生型マウスを用いて、マウス前立腺癌細胞株を脛骨骨髄内、皮下組織、筋肉内、脛骨骨膜周囲へ移植し、癌細胞の生着・増殖能を検討した。その結果、脛骨骨髄内ではいずれのマウス群においても癌細胞は生着しなかったが、その他の上記組織での生着率はMMP-13KOマウスで有意に低かった。皮下組織移植モデルでの解析により、MMP-13KOマウスでは移植した癌細胞のアポトーシス亢進が生着率低下の原因であることが示された。ADAM28KOマウス作製のために、相同領域の長さを充分に長くしたターゲティングベクターを完成させ、ES細胞への遺伝子導入と薬剤耐性セレクションにより、いくつかの候補クローンを得た。現在、サザンブロット解析により再スクリーニングを行っている。血清中ADAM28を測定可能な高感度ELISA系を開発し、ヒト非小細胞性肺癌患者血清中のADAM28レベルが肺癌患者における病期、リンパ節転移、術後再発の予測に有用であることを示した。また、yeast two-hybrid法によりヒト肺cDNAライブラリーをスクリーニングし、ADAM28結合分子としてvon Willebrand factor(VWF)を同定するとともに、ADAM28がVWFを切断することを証明した。さらに、ADAM28はVWF誘導性癌細胞アポトーシスをその分解により回避させ、癌細胞の血管内での生存延長により癌細胞転移促進に働いていることをin vitroとin vivoの実験で明らかにした。
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http://keio-okada-lab.jp/