研究課題
ADAM28のC末端部をbaitにしてyeast two-hybrid法によりヒト肺cDNAライブラリーをスクリーニングした。その結果、ADAM28結合分子としてvon Willebrand factor(VWF)とconnective tissue growth factor(CTGF)を同定するとともに、ADAM28がこれら分子を時間および濃度依存性に切断することを証明した。VWFは癌細胞のインテグリンαvβ3への結合によりp53のリン酸化とカスパーゼ3の活性化を通してアポトーシスを誘導し、ADAM28はVWFの分解によりVWF誘導性アポトーシスを回避し、癌細胞の血管内での生存延長を通して癌細胞転移促進に働いていることを実験的に明らかにした。ADAM28はCTGFと血管新生因子VEGF_<165>複合体に対しCTGF選択的分解によりVEGF_<165>を遊離し、ADAM28、CTGF、VEGF_<165>が共発現しているヒト乳癌組織において血管新生に働いている可能性を報告した。上部尿路癌では上皮間葉移行(EMT)を誘導するSnailの発現と悪性化が相関しており、Snail発現をsiRNAで低下させるとMMP-2やMMP-9の発現と浸潤能の低下を示し、移行上皮癌ではSnailがMMP発現を通して浸潤に関わることを明らかにした。MMP-7は間質性肺炎患者の肺胞洗浄液中で高値であり、過形成を示す肺胞上皮と細気管支上皮で主として産生され、肺胞上皮とマクロファージ上には活性型MMP-7と潜在型MMP-7活性補助分子であるCD151との共存が証明された。変形性関節症関節軟骨においては、MMPインヒビターの一つであるRECKが、軟骨の不完全な再生像である軟骨細胞のクローニング形成に働くことを明らかにした。
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