研究課題/領域番号 |
19109005
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
斉藤 隆 独立行政法人理化学研究所, 免疫シグナル研究グループ, グループディレクター (50205655)
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研究分担者 |
横須賀 忠 独立行政法人理化学研究所, 免疫シグナル研究グループ, 上級研究員 (10359599)
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キーワード | ミクロクラスター / T細胞 / 副刺激 / 活性化シグナル / 免疫シナプス / PD-i / ダイニン / 細胞骨格 |
研究概要 |
T細胞ミクロクラスターを介する活性化制御を、胸腺分化、副刺激活性化、細胞骨格による制御において解析した。 (1)T細胞分化におけるミクロクラスターによる制御:胸腺細胞分化における分化シグナル活性化におけるTCRミクロクラスターおよび免疫シナプスcSMACの解析を行った。共に胸腺細胞では誘導されないと思われていたが、planar bilayerでの刺激の下に、TCRミクロクラスターおよびcSMACが形成された。親和性の異なる抗原ペプチドを用いると、ネガティブ選択を誘導するような親和性の高いペプチドでのみcSMAC形成、リン酸化誘導ができ、末梢T細胞と同様に、TCRシグナルの強度に依存してシグナルソーム形成が誘導される。 (2)ミクロクラスターによるT細胞活性化制御の解析:CD28/CTLA-4による制御に加えて、T細胞活性化後の正と負の副刺激レセプターによる制御する、とりわけ負の制御を担うPD1とそのリガンドPDL1/PDL2による副刺激シグナルの時空間的な解析した。PD-1はTCRミクロクラスター内に誘導され、Shp-2をリクルートし、TCR上流シグナル分子の脱リン酸化を進めて、活性化シグナルを抑制し、CTLA4がcSMACで抑制する制御機構とは異なることを明らかにした。 (3)免疫シナプス形成の細胞骨格による制御:TCRミクロクラスターが移動し免疫シナプスcSMACを形成するメカニズムを解析し、アクチンだけでなく、微小管を介してモーター蛋白ダイニンによって制御されていることを明らかにし、微小管阻害やダイニン活性低下によって、T細胞活性化が昂進することから、ミクロクラスターの輸送によって活性化の抑制制御をしていることが判明した。強い活性化に伴って、TCR複合体とダイニン複合体が会合することを見いだし、活性化シグナルによって調節されていると考えられた。
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