研究課題/領域番号 |
19109006
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中畑 龍俊 京都大学, 医学研究科, 教授 (20110744)
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研究分担者 |
平家 俊男 京都大学, 医学研究科, 准教授 (90190173)
梅田 雄嗣 京都大学, 医学研究科, 助教 (80397538)
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キーワード | ES細胞 / ヒト / 再生医療 / 幹細胞 / NOGマウス |
研究概要 |
我々はマウス、サルES細胞の培養に精通しているが、ヒトES細胞については研究の許可がおりてから日も浅いことから、培養法に関して様々な点について検討した。その結果、ヒトES細胞の安定した維持培養が可能となった。また、ヒトES細胞からもサルと同様に、血液細胞、血管内皮細胞、心筋細胞等が出現してくることが明かとなった。ヒトES細胞を、多種類の培養フラスコ、各種サイトカイン、ストローマ細胞との共培養を含む様々な培養条件下で培養し、出現してくる細胞の細胞表面抗原の発現を、サルES細胞とのそれと比較対照し、さらにin vitro分化能における分化様式を経時的に観察した。サル、ヒト間において各種細胞の出現様式において多少の差異が存在することが明らかとなった。特に、血液細胞の出現について比較すると、ヒトES細胞はサルに比して、FLK-1陽性細胞の出現の時期が遅く、出現頻度も低い傾向にあった。しかし、FACSソーティングしたFLK-1陽性細胞からは両者とも様々な血液細胞が出現することから本質的な差異ではないと考えられる。サルES細胞に由来するFLK-1陽性細胞からは1次造血、2次造血とも時間をおいて出現することが確認されたが、ヒトについても現在検索中である。ヒトES細胞からの血液細胞の出現を見る実験で注目されるのは、フィーダー細胞であるマウス胎児肝細胞あるいはAGM-S1細胞に潜り込んだ形で袋状に増殖してくる固まりの中から円形の細胞が出現してくることである。このような細胞のほとんどはCD34陽性の未分化の形質であり、現在この中に造血幹細胞が存在しないかどうかNOGマウスを用いて検討中である。
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