研究概要 |
1)ヒト軟骨様細胞株HCS-2/8由来cDNAライブラリーを用いたYeast Two-HybridアッセイによりCCN2結合因子を単離したところ、軟骨特異的細胞外マトリックスマトリリン3およびアグリカンを同定した。また、成長因子としてはBMP-2と結合することを見いだした。 2)(1)内軟骨性骨化過程での全CCNファミリーメンバーの局在を免疫染色で調べるとCCN1,2,3および6は増殖層から前肥大層に、CCN4と5は肥大層全域に分布していた。また、マウス軟骨芽細胞初代培養を用いた増殖・分化系でmRNAレベルの変動を調べると、ccn3がメンバー中もっとも早く、アグリカンmRNAと同時期にピークに達した。次いで、ccn1,2,6mRNAがピークに達し、ccn4,5は培養を続けるに従って、すなわち肥大化しても上昇を続けた。 (2)In situ hybridizationおよび免疫組織学的手法を用いて、CCN2が二次骨化中心の形成にも重要な役割を果たしていることを明らかにした。 (3)CCN2遺伝子ノックアウトマウス(KO)を用いて、CCN2が骨芽細胞分化と膜性骨化にも重要な働きをしていることを明らかにした。 (4)CCN4/WISP1のスプライシングバリアントが成長板軟骨細胞分化の最終分化段階で高発現していることを見いだした。 3)CCN2の3'-UTRに転写後制御に重要性な働きをするcic-エレメントが存在すること、このエレメントに結合してmRNAを不安定化させる40-KDaのタンパクが、CCN2が高発現する軟骨細胞の肥大期には減少することを示してきたが、このタンパクの精製に成功した。 4)CCN2遺伝子KOマウスにおける他のCCNファミリーメンバーの動態を組織学的ならびに細胞生物学的に解析したところ、特にCCN3がupregulateしていることが判明した。
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