研究概要 |
こどもの遊び,学生実験,料理,様々な職場における技能のような技や体験,生活を支援するための教示メディアを構築し,その有効性を検証するのが本研究の目的である. 平成20年度は,以下のように研究を進め,良い進歩が得られた. (a) 人間を支援するシステムと支援を受ける人間の間のインタラクションをモデル化するIRM (Interacrion Rproduction Model)に関し,前年度に引き続いてモデルの精密化と種々の場面への適用を行った.具体的には,調理を行う場面での調理説明を提示する際の,内容とタイミングの制御を行うこと,ITS (Intelligent Tutoring System)における,教材の選択とタイミングの制御などである.種々の実験により,先生役の人間が教える場合の代替として良い結果が得られることを確認た.今後は,より複雑な場合の支援について検討する予定である. (b) 昨年度に引き続き,生体信号である筋電位の計測とその利用方法について研究を行った.(i)スポーツ等の激しい運動や全身的な動作などでも簡易に筋電位が計測できることを確認し,それが体の使い方の記録や教示のための基礎的な技術となることを確認した.(ii)筋電位の性質をうまく利用したユーザインタフェース(EMGUI)を設計することにより,これまで場当たり的に設計されてきた筋電位による外部機器の操作インタフェースなどを,システマティックに設計できる見通しが立った. (c) 教示コンテンツ取得を補助する仮想アシスタントのためのコンテンツ取得環境の構築を行った.具体的には,料理の支援を想定し,スマートキッチンとして,カメラやセンサ及びタイルドディスプレイを備えたシステムを構築し,ユーザの動作や物体の認識を詳細に行うことを可能にした.今後これらのツールを用いて,仮想アシスタントの枠組みが有効であること,種々の場面に適用できることを実証していく予定である.
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