研究概要 |
「インタラクション再生モデル」について,種々の検討と応用を行い,その基本的原理をまとめ,提案した.被支援者の内部状態を直接認識していないにも関わらず,それに適したパターンを選ぶことができ,そのパターンを用いた支援が被支援者に良い評価を得ることを確認した.注意喚起のためのエージェントロボットが介在することも有効であり,被支援者が調理する傍らで,擬似的に種々の確認や指示を行う振舞いをすることにより,効果的な教示や支援が行えることを確認した, 筋電位計測に関し,人間の意図を外部のシステムに伝えるための方法論の整理とインタフェース(EMGUI)の設計を行った.EMGUIでは,筋電位信号が認識しやすく,かつ人間にとって行いやすい動作を基本UI部品として選び,それを基に,筋電インタフェースを構築する.その考え方をさらに進め,UI部品の組合わせに対して推定される認識精度をシミュレーションによって計算することを提案した.また,筋電だけではユーザの意図の認識が難しい場合に,周囲の状況を視覚センサで認識し,それを基にインタフェースの動作を決定する手法の提案を行った. 実際に支援を行う環境として,キッチン(料理)と会議の検討とプロトタイプシステム構築を行った.キッチンに関しては上記の支援モデルを検証する場として活用するだけではなく,「環境記憶」として,ユーザの行動を記録し,必要に応じて提示するシステムの構築を同時に行った.まだプロトタイプの段階であるが,行動や状況の自動認識機能を持たせることにより,種々の支援を行うことができることがわかってきた.会議に関しては,参加者の種々の役割推定などの可能性,及び,その支援方法の提案を行った.その一つとして,会議の進行状況を可視化するツールを作成し,その有効性を確認した.
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