研究概要 |
1.近接覚から触覚までをシームレスにつなぐ触覚センサシステムの開発 (1)ネット状触覚センサ:センサを離散構造とし,その単位エレメントを試作してネット状構造としたセンサを開発した.但し,この構造ではエレメント間に接触が発生したとき検出ができないため,単位エレメントを柔軟材で覆い荷重を分散させる構造とした. (2)近接覚:H19年度は,検出素子特性と基本的センサ特性の解析,および回路シミュレータを用いての設計を行い,5x5アレイの試作と基礎実験を行なった. (3)近接・触覚センサ:H19年度は,回路シミュレータを用いた基本回路の決定と,回路定数とセンサ特性の関係を解析する.また検出素子配置の機構設計と基本特性検証実験を行なった. (4)分布計測触覚センサ:センサは,スイッチ用FETと遅延素子を組合わせたものである.H19年度は,遅延回路の選定,基礎実験と,回路シミュレータを用いた基本回路の決定と回路定数とセンサ機能との関係を解析した. 2.近接・触覚センサを用いた新たな制御システムの開発 (1)全身被覆したロボットによる動作制御:H19年度は多自由度マニピュレータを購入し,試験的に少数の触覚センサをマニピュレータ表面に取付け,接触検知と動作生成に関する基本的な制御実験を行なった.また,移動・動作を行なうロボットの体表面に少数の近接覚センサを取付け,動く対象物に対する追従等の基本的な動作制御実験を行なわせ,センサ情報処理アルゴリズムの開発とこれら基本的動作制御アルゴリズムの開発を行なった. (2)ロボットハンドと触覚センサを組合わせた動的ハンドリング:H19年度は,対象物の滑り検知への応用及び対象物を滑らせないようにする把持制御の基礎実験を行なった.センサによる滑り検知メカニズムについては未知の部分が多い.このため,その基本原理を解明するための実験と解析を行なった.
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