研究分担者 |
奥乃 博 京都大学, 情報学研究科, 教授 (60318201)
鹿野 清宏 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (00263426)
猿渡 洋 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 准教授 (30324974)
戸田 智基 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教 (90403328)
森勢 将雅 立命館大学, 情報理工学部, 助教 (60510013)
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研究概要 |
平成21年度は、平成19年度から大きく進展したTANDEM-STRAIGHTの発明に基づき、本課題の基盤となるアルゴリズムの大幅な刷新を行った。その結果、課題全般に大きな進展があった。 1. 音声属性の強化・改良(担当拠点:和歌山大、奈良先端大) TANDEM-STRAIGHTの情報表現を改良し、複雑な駆動情報を有する音声信号の分析と改良を可能とする基盤を確立した。この方法を障害音声の回復に応用することにより、アルゴリズムの有効性を実証した。また、時間軸をも含む多数のパラメタのモーフィングにおいて、モーフィングの割合を、時間の関数として設定することを可能にするアルゴリズムを開発し、動作を実証した。 2. 雑音抑圧・選択的聴取(担当拠点:奈良先端大、京大) 独立成分分析による雑音推定と最小二乗誤差規範・音声振幅スペクトル推定法に基づく高品質音声強調アルゴリズムを提案した.また,本アルゴリズムに基づく両耳補聴システムを開発し,新たに構築したデータベースによる評価を行った.その結果,従来の雑音抑圧手法と比較して,雑音抑圧および音像保持能力に優れていることが実証された。 到達目標3.記憶音声の合成(担当拠点:奈良先端大、和歌山大、京大) 声帯を失った喉頭摘出者による音声コミュニケーションを補助する技術として,統計的声質変換技術を応用し,電気式人工喉頭を用いて発声された人工音声や食道発声音声を,より自然な音声へと変換する方法を提案した.さらに,固有声変換技術を導入することで,変換音声の声質制御を可能とする方法を提案した.食道発声音声に対する変換実験の結果から,提案技術により,自然性,明瞭性,および話者性を強調できることを示した。
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