研究課題/領域番号 |
19200021
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研究機関 | 統計数理研究所 |
研究代表者 |
石黒 真木夫 統計数理研究所, モデリング研究系, 教授 (10000217)
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研究分担者 |
岡田 泰昌 慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (80160688)
越久 仁敬 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (20252512)
田村 義保 統計数理研究所, データ科学研究系, 教授 (60150033)
三分一 史和 統計数理研究所, モデリング研究系, 准教授 (30360647)
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キーワード | 非線形入力モデル / 因果関係 / ニューロンの分類 / データ重ねあわせ / SN比の改善 / 過渡的現象の解析 / 情報量規準 / 画像データ解析 |
研究概要 |
本研究は、ラット脳幹内の呼吸関連領域から得られた膜電位イメージデータ変動の間の因果関係を把握することによって呼吸リズムの形成機構を明らかにすることを目的とするものであり、平成20年度までの研究によって自発呼吸のデータから各呼吸に寄与している部位を抽出することを可能とし、このSTFモデルの活用によって、病的に多ピークの呼吸活動を示す場合にそれぞれのピークに寄与している部位が必ずしも一致していない現象が、呼吸リズム形成過程の頑健性、安定性と統一性を両立させるメカニズム、の解明において重要な意義を有するとの認識に至った。平成21年度はブラジル、サンパウロで開催された国際会議を含む国際的な研究発表の場においてこれらの成果を発表し、その評価を求めるとともに、ラットの誕生後の呼吸リズム形成機構の発達に伴う変化の追跡、および、多数のニューロンの協調によって形成される呼吸リズムの計測における空間、時間的な平均化フィルタの効果の研究を計画に掲げて研究を進めた。その成果として、前者の計画に対して、多数の実験の結果を統合し、ラットの個体差を吸収しつつ呼吸リズム形成機構の日齢差を追跡する技術の基礎となる「極座標変形法」と言うべき画像データ標準化法を得、ラット脳幹に直結する脊髄上部の横断断面画像の標準画像化によってその有効性を確認した。計画の後者に対しては、確率的神経ネットワークモデルにもとづくシミュレーションによる研究を進め、呼吸リズム形成にかかわる神経群が大局的に示す"quantal slowing"の現象を説明するメカニズムのモデルを得た。
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