研究概要 |
前年度は,分子計算のためのDNAモチーフ構築に向けて,汎用性の高いクロスリンカーとしてカルバゾールヌクレオシド(CNVK)を含む核酸の合成に成功したが,今年度はそれを発展させて,1)ヘアピン構造の安定化への応用が可能であること,2)RNAへの操作へと拡張できることを見出した.また,前年度設計した,基板上で高精度のセルフアセンブリが可能なDNAモチーフに,光連結塩基を挿入し,作製したナノ構造の耐熱性が向上することを確認した.さらに,2種類の基板上成長モチーフによるアルゴリズミックなセルフアセンブリに成功し,得られた周期構造体にビオチン化DNAをもちいてストレプトアビジンを高精度配列させることに成功した. これら一連の研究により確立した10-20nm程度のサイズのDNAモチーフによる高精度のナノ構造構築手法をμmオーダの粒子系に適用することを考え,DNAを固定化したコロイド粒子(直径1μm)および金ナノ粒子(直径10nm)と微細加工(1μm凹凸形状)を施したテンプレート基板を用い,基板上で階層的にコロイド結晶を成長させる製作技術を考案し,実際に2層のコロイド結晶の製作に成功した.
|