生殖細胞系列でのトランスポゾン転移の実験は、mixedバックグランドだった。同様のシステムをB6バックグランドで再構築し、マウスの表現型解析に利用される系を作る事が目的である。すなわち転移の駆動力になるトランスポーゼース発現トランスジェニックマウス(SBマウス)と、トランスポーゼース認識配列を有するトランスジェニックマウス(GFPマウス)をそれぞれB6バックグランドで樹立することを目的とした。まず、B6由来ES細胞を筑波大学生命科学動物資源センター杉山文博博士より供与を受けた。それらのB6由来ES細胞は生殖系列に入りやすいことが判明しているものである。そのB6由来ES細胞のROSA26遺伝子座に効率よくノックインできるターゲティングベクターを作製し、SBtransposaseがROSA26遺伝子座に挿入されたES細胞クローンを数種類得た。核型も正常だったので、マウス作製のリソースとしてストックした。 他のトランスポゾンシステムも構築するため、piggybag transposaseも同時にROSA26遺伝子にノックインを行った。これらの細胞の核型も正常だったので、その細胞由来のマウスを作製するリソースとしてストックした。GFPマウスは共同研究で行っているオランダのグループのマウスがそれに相当する為、転移効率の良いものが選択できる体制が出来ている。
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