研究課題/領域番号 |
19200036
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
神保 泰彦 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (20372401)
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研究分担者 |
満渕 邦彦 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (50192349)
佐久間 一郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (50178597)
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キーワード | 脳・神経 / 神経科学 / 細胞・組織 / 分子認識 / ナノバイオ |
研究概要 |
心筋細胞系に対する電気刺激の効果の確認、P19多能性細胞に対する電気刺激印加に向けた基本特性の確認の2つの観点から研究を進めた。以下それぞれについて具体的に記述する。 1. 心筋細胞系に対する電気刺激の効果の確認 心筋細胞の拍動周期を制御する要因として、自律神経系の寄与を取り入れた系を構築した。集積化電極基板上にマイクロ加工により2つの独立な培養区画を設け、それぞれラット心筋細胞と交感神経細胞を培養した。両者を結合する通路構造を設けることにより、形態的に結合が形成されることを確認した。心筋側、神経側とも自発電気活動が観測された。神経側の領域において広範囲に同期した電気刺激を印加することにより、心筋細胞の自律拍動周期が短縮すること、この変化が初期状態に復帰するまでに数分の時間遅れを要することを観測した。薬物投与により電気刺激の効果が阻害されることから、両者の間に機能的なシナプス結合が形成されていることが確認できた。 2. P19細胞に対する電気刺激印加に向けた検討 P19細胞の分化過程における電気刺激の効果を観測する前提として、薬物処理(レチノイン酸投与)により神経細胞への分化を誘導する過程における自発電気活動の観測、胚様体形成時点での電気刺激印加手法の開発を行った。P19由来神経細胞系がラット大脳皮質初代培養系に類似した自発電気活動を示すこと、マイクロ加工技術を利用して作製した電極付キャビティアレイに胚様体を並べて電気刺激を印加することにより細胞内Caイオン濃度の変化が誘導できることを確認した。
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