研究概要 |
平成22年度の研究実施計画として設定した3つの課題に対して以下の成果を得た. (1)心筋細胞系への電気刺激の効果 MEA(Micro-Electrode Array)基板上に構成した培養心筋系を用いて,慢性的な電気刺激の印加によりその拍動リズムを人為的に制御する可能性につき検討した.刺激時間を1分から12時間まで段階的に変化させた結果,時間に依存した拍動リズム誘導効果が得られることを確認した.交感神経細胞との共培養系では,電気刺激により誘起される交感神経細胞群の電気活動に対応した心筋拍動周期の亢進を検出した. (2)神経回路活動における電気刺激の効果 MEA基板上に構成した大脳皮質単離培養系を用いて,異なる2点からの高頻度電気刺激印加により誘導される誘発応答特性の変化を観測・解析した. (3)幹細胞系への電気刺激の効果 幹細胞から分化誘導された神経細胞と初代培養神経回路の結合を試みた.MEAを用いた電気活動記録により,両組織間の活動伝搬が培養期間に依存して変化することがわかった.
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