研究課題/領域番号 |
19200040
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
河野 健司 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (90215187)
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研究分担者 |
児島 千恵 大阪府立大学, 工学研究科, 助教 (50405346)
青島 貞人 大阪大学, 理学研究科, 教授 (50183728)
石坂 幸人 大阪府立大学, 国立国際医療センター研究所, 部長 (30281687)
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キーワード | ナノ医療 / ナノカプセル / ドラッグデリバリー / 可視化 / MRI / がん治療 / 診断 |
研究概要 |
リポソームに鋭敏な温度応答機能を付与するための新しいタイプの温度応答性高分子として、アルキルアミド基を有する多分岐型サクシニル化ポリグリシドール誘導体を開発した。このポリマーは、アルキルアミド基の導入量に依存して疎水化する温度やpHを変化させることがわかった。また、このポリマーでリポソームを表面修飾することで温度やpH応答して内包物を放出するインテリジェントリポソームを作製することに成功した。また、温度応答性を有する新しい脂質として、アルキルアミド基を有するデンドロン脂質を合成し、その脂質ベシクルの温度応答機能を調べた。この脂質は低温においては安定なベシクルを形成するが、特定の温度以上になると急激に不安定化し、著しい凝集や逆ミセルへの転移を引き起こすことがわかった。今後、抗がん剤デリバリーシステムとしての機能を評価する。一方、リポソームにMRIによる検出機能を付与するために、ガドリニウムキレートを結合したデンドロン脂質を合成し、この脂質を含有した温度応答性リポソームを調製した。担癌マウスにこのガドリニウム脂質含有リポソームを投与し、その体内動態と腫瘍集積のリアルタイムモニターを行った。腫瘍や肝臓、腎臓におけるMRIのシグナル強度を追跡することによって、それらの組織、臓器におけるリポソームの集積と除去の過程を追跡することに成功した。さらに、近赤外光照射によって機能発現制御が可能な新しいタイプのリポソームとして、金ナノ粒子複合化リポソームの作製について検討した。金ナノ粒子をリポソームとインキュベートすることで、金ナノ粒子を複合化したリポソームが得られることがわかった。
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