研究分担者 |
大野 喜久朗 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (50014238)
宮里 逸郎 東京医科歯科大学, 大学院・保健衛生学研究科, 准教授 (10014375)
余 錦華 東京工科大学, バイオニクス学部, 准教授 (10257264)
高原 健爾 福岡工業大学, 工学部, 准教授 (70292076)
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研究概要 |
本年度繰り越し課題では、以下の研究成果を得た。 1、臨床対応型水冷表面冷却式脳温自動制御システムの開発 これまで開発し臨床で応用した水冷式脳温自動制御システムは,温水製造装置,冷水製造装置,および制御装置の3つに分離しており,臨床で使用するには一定以上のスペースが必要であった。また,消費電力が臨床で通常備えられている容量を超えているので,使用に際しては特別に電源工事を必要とした。そのため本開発では,より臨床での使用に適するシステムを実現するために,3つの装置の一体化と小型化,および消費電力の削減を行い,加えて水漏れ検知機構を追加し,タッチパネルの導入などの操作性の向上を行った。現在は,この臨床対応型水冷式脳温自動制御システムの動作性能試験を各種行っている段階にあり,これらの試験の終了後には本学医学部付属病院集中治療部あるいは現在研究協力を依頼している民間病院での応用試験を計画している。本開発により,特に医療従事者自ら操作が容易で,特別に体制や設備を用意することなく使用できる医療機器としての実用機のプロトタイプとしてシステムが実現されるので,脳低温療法における脳温管理の自動化の普及が促進される。 2、臨床対応型空冷表面冷却式脳温自動制御システムの基礎開発 これまでの空冷表面冷却式脳温自動制御実験システムは,空冷表面冷却による脳温制御の可能性と特性解析を目的とした基礎システムであり,臨床での使用を念頭に置いたものではなかった。そのため,本開発では集中治療全体の中での脳温管理という観点から臨床での使用に必要な条件を考慮して新たに空冷表面冷却式脳温自動制御システムの基礎開発を行った。特に,種々の医療処置を想定して,着脱可能な空冷式ブランケットによる制御方式や温風と冷風の混合方式などに工夫をしたのが特徴である。現在は,生体と類似の温熱特性を有する人形を用いた実験による検証を行う段階にある。
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