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2008 年度 実績報告書

脳低温療法のための完全自動化状態管理システム

研究課題

研究課題/領域番号 19200042
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

若松 秀俊  東京医科歯科大学, 大学院・保健衛生学研究科, 教授 (40014237)

キーワード脳低温療法 / 自動管理 / 適応制御 / ファジィ制御 / 脳温管理 / 臨床応用試験 / 脳圧管理 / 脳血流管理
研究概要

今年度は,開発した脳低温自動管理システムの臨床応用研究を進めた。具体的には,本学医学部付属病院集中治療部にて行った3例の脳低温療法症例において,開発したシステムによる脳温自動制御臨床応用試験を本学脳神経外科の共同で行った。この結果,制御誤差±0.3℃を達成する一方,特に副作用は生じず,現場スタッフの負担を大いに軽減することができた。特に,患者特性の個人差,経時変化,非線形性に対して,採用した適応制御やファジィ制御が柔軟に対応し,臨床的ニーズを十分に満たしたことが確認できた。したがって,これにより表面冷却による脳温管理が簡便化でき,スタッフの労力を大いに軽減できることが確認できた。また,スタッフの労力の軽減による医療コストの抑制も計算できるので,本研究の成果による基本的な脳低温療法の普及促進効果も間接的に確認できた。この成果を踏まえて,次のステップとして計画している本学外の医療機関における臨床応用試験のためのシステム開発にも取り組んだ。これは,本学内の脳低温療法症例が少なく,さらなる試験が必要であることと,システムに対する客観的な評価のためには多種の医療機関での試験が欠かせないと判断したからである。そのため,これまで3つに分割されていた装置の小型一体化,電気的・生物学的安全性の向上,水漏れ対策などを行った。特に昨年度と異なるのは,全消費電力を抑制しながら冷却及び加熱効率を最大に保つ技術を考案・導入したことである。その結果,本研究者らが実際に現場で操作しなくても臨床応用試験が可能な環境が整ったので,現在は装置の動作確認基礎試験を準備しているところである。
また,脳圧や脳血流の制御システムの基礎開発のために準備している動物実験システムの組み上げも進め,現在は対象動物の妥当性と疾患モデルの作成方法の検討を行っている。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] Automatic Clinical Control of Brain Temperature by Adaptive Control System2008

    • 著者名/発表者名
      H.Wakamatsu, T.Utsuki, T.Wakatsuki, H.Toriyama, T.Momose, M.Tamaki, M.Mukawa, M.Aoyagi, C.Mitaka, K.Ohno
    • 雑誌名

      Proc 8th Asia-Pacific Conf Control & Meas

      ページ: 1-6

    • 査読あり
  • [学会発表] Clinical application of automatic control of brain temperature by adaptive control method2008

    • 著者名/発表者名
      T.Utsuki, T.Wakatsuki, H.Wakamatsu, H.Toriyama, M.Tamaki, T.Momose, M.Mukawa, C.Mitaka, M.Aoyagi, K.Ohno
    • 学会等名
      日本神経科学学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2008-07-11
  • [学会発表] 適応制御とファジィ制御で各々脳温を自動制御した脳低温療法症例2008

    • 著者名/発表者名
      檮木智彦, 若槻琢也, 若松秀俊, 東森俊樹, 鳥山英之, 玉置正史, 百瀬俊也, 武川麻紀, 三高千恵子, 青柳傑, 大野喜久郎
    • 学会等名
      日本脳低温療法学会
    • 発表場所
      岐阜
    • 年月日
      2008-07-04
  • [学会発表] 脳低温療法のための脳温自動制御システムとその臨床応用2008

    • 著者名/発表者名
      檮木智彦, 若槻琢也, 若松秀俊, 鳥山英之, 百瀬俊也, 大野喜久郎, 三高千恵子
    • 学会等名
      日本生体医工学
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2008-05-09
  • [学会発表] 脳温を最適・適応制御アルゴリズムで自動制御した脳低温療法の2症例2008

    • 著者名/発表者名
      檮木智彦, 若槻琢也, 若松秀俊, 鳥山英之, 玉置正史, 百瀬俊也, 武川麻紀, 青柳傑, 三高千恵子, 大野喜久郎
    • 学会等名
      日本脳死・脳蘇生学会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2008-05-09
  • [学会発表] 上矢状静脈洞血栓症による出血性梗塞, 脳腫脹に対して軽度低体温療法を施行した1例2008

    • 著者名/発表者名
      荻島隆浩, 鳥山英之, 東森俊樹, 稲次基希, 百瀬俊也, 前原健寿, 青柳傑, 大野喜久郎, 檮木智彦, 若松秀俊
    • 学会等名
      日本脳神経外科学会関東支部会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2008-04-19
  • [学会発表] 脳低温療法のための空冷式脳温自動制御システムの設計2008

    • 著者名/発表者名
      檮木智彦, 若槻琢也, 若松秀俊
    • 学会等名
      電気学会全国大会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      2008-03-21

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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