研究課題/領域番号 |
19200052
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研究機関 | 独立行政法人国立科学博物館 |
研究代表者 |
小川 義和 独立行政法人国立科学博物館, 展示・学習部・学習課, 課長 (60233433)
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研究分担者 |
前田 克彦 独立行政法人国立科学博物館, 展示・学習部, 部長 (40370994)
小倉 康 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター基礎研究部, 統括研究官 (50224192)
北原 和夫 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (20107692)
山本 恒夫 八洲学園大学, 学長 (20008733)
渡辺 政隆 文部科学省科学技術政策研究所, 科学技術動向センター, 上席研究官 (70356286)
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キーワード | 科学リテラシー / 科学系博物館 / プログラム開発 / 体系化 |
研究概要 |
本研究は、博物館特有の資源を活用して科学リテラシー酒養のための学習プログラムを開発し、その体系化とモデル化を行うことを目的としている。 そのため、「生命・人間と社会」「宇宙・地球・環境と社会」「物質と社会」「技術と社会」の4領域と「感性の酒養」「社会の状況に適切に対応する能力の育成」等の4つの目標からなる枠組みを設定し、それに基づき、「幼児・小学生」「中高生」「熟年・老年」等の各世代を対象にしたプログラムを、他の科学系博物館と連携・協働して開発・体系化する予定である。 本年度は、幼児・小学生を対象に8つのプログラムを開発した。また、科学リテラシー論とその実装の様子に関して、アメリカ合衆国の自然科学系博物館等において、実地調査を行った。(1)本年度のプログラム開発と試行を行った結果、科学リテラシー酒養の観点から以下の点が明らかになった。・もののかたちに焦点を当てたプログラムにおいて、幼児には虫眼鏡の操作が困難だったが、ものを拡大した写真を見せると何を拡大したものなのかを理解することが出来た。また、拡大するとものが違って見えることに気づいた幼児が多かった。・展示物を見てぬりえをするプログラムは子どもたちに展示をじっくり見る機会を提供し、展示物を通した親子の会話を促進した。また、普段食卓に上がるものを科学的に観察することにより、子どもの日常生活や社会への関心を高めることができた。・保護者は、科学の知識の定着よりも幼児の豊かな感性を養いたいと思っている。(2)アメリカ合衆国において科学リテラシーの実態を調査した結果、以下の知見が得られた。・科学リテラシーの定義や目的に関する研究は、動向の紹介やその文化的考察等に関するものが多数を占める。・アメリカ合衆国においては、科学教育の目標として科学リテラシーを掲げており、一部地域では特徴的なプログラム体系が開発されているが、主として幼稚園から高等学校卒業段階を対象としたプログラム開発にとどまっている。
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