研究分担者 |
亀井 修 独立行政法人国立科学博物館, 展示・学習部学習課ボランティア活動・人材育成推進室, 室長 (40415609)
岩崎 誠司 独立行政法人国立科学博物館, 展示・学習部学習課学習企画担当, 係長 (90259995)
有田 寛之 独立行政法人国立科学博物館, 展示・学習部学習課学習企画担当, 専門職員 (70342938)
原田 光一郎 独立行政法人国立科学博物館, 展示・学習部学習課学習企画担当, 係員 (10450628)
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研究概要 |
(1)中高校生対のプログラム試行より,科学リテラシー涵養について以下の点が明らかになった。 ・身近な食材を活用して地域の自然や街について理解を深めるプログラムにおいて,体験的プログラムは積極的な学びを促進することが確認された。また,参加者は「実際の自然は必ずしも教科書の写真のように規則的ではない」と理解をし,プログラムによって多様で科学的な見方が身についた。 ・レゴマインドストームNXT^[○!R]を活用した継続プログラムにおいて,参加者の活動が「動いたかどうか」という質的な観点から「どのくらい速く動いた」などの量的な観点へと変化し,トレードオフに基づく科学的判断が身についた。 (2)プログラムの体系化において課題が浮上し,それに代わる枠組みについて検討がなされた。 ・「対象となる参加者から見た系統」「扱う内容から見た系統」「科学リテラシーの目標から見た系統」「社会的な文脈から見た系統」の4つの系統について体系化の視点から検討を加えた。本研究における体系化として、「発達段階(世代)的に深化・拡張する一貫した系統によるプログラム群の事例」と考え、そのためグループ内でテーマを一つ設定し、個々のプログラムはより具体的なテーマを持たせて開発することが考えられる。その際、テーマは「発達段階(世代)的に深まっていく一貫したプログラムを束ねる社会的課題を踏まえたテーマ」を考え、このテーマの元にプログラムの開発を進めていく。 (3)フィンランド・スウェーデンの博物館等において科学リテラシーの実態を調査し,以下の知見が得られた。 ・コミュニケーションを促進する展示物が多く見られ,来館者の表現力や発信力の育成に寄与している。 ・プログラムは館の独自性,分野横断,体験的などの要素も取り入れつつ国のカリキュラムとも連携しており,科学・技術の総合的理解や科学リテラシー酒養に有効である。また,大人対象のプログラムの必要性を認識しつつも,実践は十分に行われていない。
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