研究課題/領域番号 |
19200058
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研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所 |
研究代表者 |
松井 章 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, センター長 (20157225)
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研究分担者 |
石黒 直隆 岐阜大学, 応用生物学部, 教授 (00109521)
南川 雅男 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究院, 教授 (10250507)
中村 俊夫 名古屋大学, 年代測定総合研究センター, 教授 (10135387)
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キーワード | 家畜 / 動物考古学 / DNA / 安定同位体 / 食性分析 |
研究概要 |
1.2005年に韓国三江文化財研究院が発掘した金海会〓里貝塚の骨角器や動物遺存体の整理、分析をすすめ、環境考古学各分野の分析のとりまとめを行い、その報告書の分担執筆を行った(三江文化財研究院編2009『金海会〓里貝塚』)。紀元前1世紀から紀元2世紀に形成された貝層出土の動物遺存体の同定、集計を通じて、馬、牛、豚、家鶏などが紀元前1世紀には普及していたこと、狩猟も活発だったことを明らかにできた。同報告書には、研究分担者である南川による安定同位体分析、石黒・高橋による遺伝子分析、中村によるAMS放射性炭素年代、協力者として奈良教育大の金原による花粉と種実分析、宮崎大の宇田津哲朗によるプラントオパール、放送大の松島義章による貝類群集による環境復元などの成果も盛り込まれ、日本で確立した環境考古学の手法を韓国で応用することができた。 2.2009年3月、2010年3月にラオス北部の山岳少数民族であるカム族とタイルー族の村において、豚・犬・家鶏の飼育法と、猪、家鶏の野生原種である赤色野鶏の狩猟法、焼畑農耕、信仰などについて日本史、文化人類学、民俗学の研究者らと共同研究を行った。現地では猪、赤色野鶏、在来家鶏の現生比較標本を作製することができた。 3.2009年4月、米国アトランタのアメリカ考古学会で日本の大湿地貝塚における通年の活動についての発表を行った。 4.佐賀県東名遺跡群の発掘では、動物遺存体の分析、報告を行った。 以上のように、日本のみならず、東アジア諸国の家畜の伝播についての動物考古学的研究を遂行できたといえる。
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