研究分担者 |
庄司 功 筑波大学, システム情報工学研究科, 教授 (20282329)
加茂 憲一 札幌医科大学, 医療人育成センター, 准教授 (10404740)
柳原 宏和 広島大学, 理学研究科, 准教授 (70342615)
石川 仁 東京理科大学, 工学部, 准教授 (90311521)
木島 真志 琉球大学, 農学部, 准教授 (10466542)
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研究概要 |
木材の有効利用は,持続的な森林資源管理および循環型社会の形成に向けた大きな課題である.しかし,近年の木材価格の低迷や台風被害などの自然災害は中山間地域における造林や間伐などの管理放棄を促進させている.本研究では,自然災害・管理放棄発生リスクをあらかじめ予見するとともに,持続的な森林資源管理を遂行するため,その妨げとなる管理放棄リスクを時間・空間的なベクトルをもって可視化するシステムを構築し,災害・管理放棄の回避を可能とするリスクヘッジ型持続的森林資源管理に向けた政策分析を行う 平成22年度の研究成果は以下の通りである.1)Cox比例ハザードモデルを応用し,倒木リスク評価モデルを構築した.倒木リスクを分析する際に,「立木引っ張り」実験により,幹に発生するモーメント(力)を評価する.実験では力を掛けても,倒れないケースも出てくる.これらのデータについても解析するため,Kaplan-Meier法と呼ばれる生存分析を用いる手法を開発した.2)風害シミュレーション実験による風速と樹木に掛かる負荷評価モデルの構築,風害シミュレーション実験では,立木の空間配置の違いが風害にどのような影響を及ぼすかをシミュレーション分析した.3)上記を合わせて,災害リスクモデルを構築した.4)時空間管理最適化に対する施業配置最適化モデルの構築した.この最適化モデルと災害リスクモデルを結合させることで,リスク分散型施業配置最適化による評価が可能になる.5)ノンパラメトリック手法による確率微分方程式解法手法を確立した.これにより経済リスクモデル構築が可能になった.6)GISによる可視化モデルの構築,シミュレーションあるいは最適化モデルから導出される施業空間配置のマッピングの効率化を図るため,GISと.netプログラミング言語を用いたプログラムの基礎を構築した.
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