研究概要 |
現在中山間地域の森林環境破壊の一つとして,管理放棄は森林の持続的な二酸化炭素固定能力を低下させるとともに,自然災害をも引き起こす負の要因として全国的な問題になりつつある.また,台風被害などと言った災害のリスクに対する森林所有者の回避行動があるものと想定され,持続的森林資源管理の達成には,そのようなリスクに対する森林所有者の管理行動を把握し,森林資源に対するリスク管理を時空間的に行うことが必要不可欠となっている. 本研究では,自然災害・管理放棄発生リスクをあらかじめ予見するとともに,持続的な森林資源管理を遂行するため,その妨げとなる管理放棄リスクを時間・空間的なベクトルをもって可視化するシステムを構築し,災害・管理放棄の回避を可能とするリスクヘッジ型持続的森林資源管理に向けた政策分析を行う.具体的には,森林のランドスケープを対象としたマクロ的なリスク管理と森林の要素である個々の林分を対象としたミクロ的なリスク管理を同時に分析する.
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