研究分担者 |
瀬戸 浩二 島根大学, 汽水域研究センター, 准教授 (60252897)
野中 資博 島根大学, 生物資源科学部, 教授 (60093655)
森 也寸志 島根大学, 生物資源科学部, 准教授 (80252899)
相崎 守弘 島根大学, 生物資源科学部, 教授 (20109911)
石賀 裕明 島根大学, 総合理工学部, 教授 (80183002)
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研究概要 |
1.中海・宍道湖周辺の塩生湿地に生育する絶滅危惧植物であるオオクグとシオクグ,そして中海に生育する海草コアマモを対象として,生活史戦略並びに遺伝的多様性をマイクロサテライトマーカーにより解析した.その結果,オオクグについては,中海において分断化され小パッチで存在しているものに比べ,大橋川河口域に発達する大きな群落において遣伝的な多様性が維持されていることが確認された.オオクグの生育面積と遺伝的多様性の高さに有意な相関があることから,現存する大規模個体群はこのまま保全・維持する必要性がある.コアマモについては,大橋川のコアマモ個体群と中海の個体群の間には遺伝的分化が見られ,現状としては遺伝的交流の頻度が小さい別個体群とみなすべきと考えられた.今後のコアマモ群落の再生を考えた場合,中海のコアマモ局所個体群の分布を詳細に網羅したうえでのユビキタスジェノタイピングを早急に行い,ドナーサイトや移植種苗の選定と選定個体群確保に生かされることが望ましいと考えられた. 2.宍道湖北西岸に湖岸の再生を目的に2006年に造成された浅場において,亜酸化窒素のフラックス調査を行った.その結果,造成初期にはフラックスは低かったものの,夏季には高温の影響により,高いフラックスの値が観察された.
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