研究分担者 |
瀬戸 浩二 島根大学, 汽水域研究センター, 准教授 (60252897)
野中 資博 島根大学, 生物資源科学部, 教授 (60093655)
森 也寸志 島根大学, 生物資源科学部, 准教授 (80252899)
石賀 裕明 島根大学, 総合理工学部, 教授 (80183002)
野村 律夫 島根大学, 教育学部, 教授 (30144687)
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研究概要 |
(1)中海・本庄水域の生態系モニタリング結果から,本年度は春の低温により貧酸素水塊の形成が例年より遅かったため,本庄水域も中海本体も貧酸素環境の期間が前年より短い傾向にあったこと,そして夏期は昨年度よりも水温が高くなったことで,底生生物の生存にも悪影響を与えたことなどがわかった. (2)産業副産物・地域未利用資源である廃瓦を用いて開発した廃瓦複合機能性覆砂材の水環境における実用性を検討するため,リン吸着能力の検討とバイオアッセイによる安全性の評価を行い,機能性覆砂材が水質浄化に有効であり,かつ安全性も確保できていることを明らかにした. (3)流域における水質調査を基に汚濁負荷発生のモデルで解析すると,濃度が低いものの,その面積の広さから森林からの窒素負荷発生の影響が大きいことが明らかであったことから,浸透性に劣る劣化土壌を人工マクロポアによって改善を試みると,処理区においては降雨に連動して土壌水分が増減する様子が明らかで,竹林と斜面において有機物の増加が認められた. (4)宍道湖・中海の底質(表層)についての重金属濃度から現在の底質の環境を評価した.宍道湖での柱状試料の分析をもとに鉄,マンガン,リン濃度の時代ごとの濃度変化を検討し,1950年頃より流域からの負荷が増加し,1980年頃から,亜鉛,鉛,リンおよびマンガンの濃度が著しく増加していたことがわかった.マンガンは酸化・還元を繰り返すことによって堆積物中に濃縮することから,貧酸素水塊の発生は1980年からと推定された. (5)水環境評価手法の1つとして長期設置型水中カメラの開発を行った.中海米子湾の国土交通省米子湾水質観測所の水深約5mにカメラを設置し,画像の録画とインターネットによる24時間常時観察を可能にした.
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