研究概要 |
本研究は,研究代表者の所属する島根大学に隣接するわが国有数の汽水域である宍道湖・中海をモデルフィールドとして,学内研究者の様々な専門領域の視点から,汽水域の環境特性を総合的に分析し,自然と調和した汽水域の賢明な利用のあり方について提言することを最終的な目標としている.具体的には,工学的・実用的な立場からの湖水の浄化法として,(1)高度汚水処理法・直接浄化法の開発と,(2)底質処理法(無害化・資源化)の開発を行い,さらに流域統合管理の視点を加えて,(3)流域の管理の違いが水文循環過程に与える影響を評価する.そして,科学的・普遍的な立場もふまえて,(4)汽水域生態系モニタリングのシステムを研究・開発・構築し,さらに地域と一体となった汽水域の生態系保全活動を行うことを目的に,(5)地域住民との連携による汽水域長期モニタリング法を検討する.これら(1)から(5)の研究成果を有機的に統合することにより,汽水域の自然環境を復元する循環型水環境修復技術を構築し,自然と調和した汽水域の賢明な利用のあり方を明らかにする.
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