研究課題/領域番号 |
19201018
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
細見 正明 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (90132860)
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研究分担者 |
豊田 剛己 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 准教授 (30262893)
本林 隆 東京農工大学, 農学部, 講師 (20262230)
淵野 雄二郎 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (60015104)
西村 拓 東京大学, 農学生命科学研究科, 准教授 (40237730)
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キーワード | 飼料イネ / 循環材料生産 / 環境浄化 / 畜産 / 窒素 |
研究概要 |
畜産排水を肥料として飼料イネを栽培することにより窒素循環型の生産及び環境修復システムを構築する際には、施肥した液肥中の窒素の河川水への表面流出や地下水への浸透の可能性を考慮しなければならない。そのためには、水の移動や硝化・脱窒反応を考慮した窒素挙動、飼料イネの収量を予測できるシミュレーションモデルが必要となる。そこで、本研究では、飼料イネを植栽した水田における窒素挙動と収量予測モデルを作成するとともに、流域全体の水収支モデルを作成した。 作成した窒素挙動・収量予測モデルにおいて、異なる窒素負荷条件下で飼料イネ収量の実測値と計算値が一致した。また、感度解析により、流入したNH4はほとんどが硝化・脱窒され、河川への表面流出負荷は非常に小さいことが示された。飼料イネを植栽した水田は、慣行施肥量の3倍までは、高い窒素濃度(負荷)に対応できるほどの高い窒素浄化能力を持つことが示された。 一方、水田が多い桜川(霞ヶ浦平成の流入河川)を対象流域として、表面流と地下水流を一体化させた水収支モデルを作成した。これにより、地下水と表面水との交換過程などが表現できるようになった。5年間の流域内の降雨を計算入力としてシミュレーションした結果、5年にわたる河川流量や地下水位の経時変化について、実測値と計算値とがおおむね一致した。さらに、この水収支モデルに窒素挙動を組み入れるために、本研究では、水田・畑に関して個別の単位モデルを構築した。ここに水田・畑において起こる反応の速度式を用いることでモデル化し、解析期間内に圃場から流出する水量および窒素量をデータベースとして出力することができた。最終年度には、この水田・畑の単位モデルを水収支モデルに組み込み、桜川流域全体における窒素挙動について、河川水のみならず、地下水をも含めて検討する予定である。
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