研究課題/領域番号 |
19201021
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山田 淳 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (30136551)
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研究分担者 |
秋山 毅 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教 (20304751)
寺崎 正 独立行政法人産業技術総合研究所, 九州センター, 研究員 (00399510)
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キーワード | ナノ構造形成 / ホットサイト / 金ナノ構造 / 光エネルギー変換 / 光電変換 |
研究概要 |
電場が著しく増強されたホットサイトナノ構造は、光エネルギー変換をはじめとするナノフォトニクス、ナノ計測分野に革新的な発展をもたらすものとして多大の注目を集めている。本研究では、ホットサイトを形成しやすい金・銀ナノ粒子を集積化したナノ構造を設計・創製し、太陽電池用光電変換素子や光触媒材料としての応用展開を図る。初年度の成果は以下の通りである。 (1)ナノ粒子、色素の合成(秋山) 球状金・銀ナノ粒子は定法に従い合成した。金ナノロッドについては合目的的なサイズ形成のための条件を確立するため、反応機構を追跡した。その結果、光ラジカル反応がナノロッドの形成の初期過程であることを突き止めた。また遠心分離機を購入し、精製に用いた。一方、光電変換素子の電子受容部位となるフラーレン集合体についても別途合成した。合成物の同定に必要な分光光度計は購入した。 (2)ホットサイト構造体の作製と評価(山田、秋山、寺崎) 自己組織化法、layer-by-layer法等を併用し、ナノ粒子を電極表面に直接結合させたハイブリッド薄膜やポリチオフェン薄膜との複合体を作製した。さらに光電変換機能の向上を目的として、フラーレン集合体との複合化も行った。 作製したホットサイトナノ構造のモルフォロジーや電場特性をSEM観察ならびにラマン測定で評価したところ、ナノ粒子の集積精度が不十分であることがわかった。そこで次年度は、LB法を用いて精密な2次元ホットサイト構造の構築を計画する。 (3)光電変換特性評価(山田、寺崎) 上記方法で作製したホットサイトナ構造の表面にポルフィリンやフタロシアニンを固定し、光電変換素子とした。ソーラーシミュレータをはじめ、作用スペクトル測定装置等を購入し、光電流の波長依存性を定量的に測定、解析できるシステムを組み立て、予備測定を開始した。
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