研究課題/領域番号 |
19201027
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
藤本 公三 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70135664)
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研究分担者 |
安田 清和 大阪大学, 大学院・工学研究科, 講師 (00210253)
松嶋 道也 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (90403154)
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キーワード | デバイス実装 / 自己組織化 / 金属フィラー / 溶融凝集 / フリップチップ接合 / アンダーフィル |
研究概要 |
本研究で提唱している自己組織化実装プロセスで最も重要な樹脂中の溶融金属フィラーの凝集メカニズムの解明のための実験・解析を行い、次の点を明確にした。 1)金属フィラーの溶融凝集には金属フィラーの表面酸化被膜の除去が必要であるが、酸化被膜分解のために過剰な活性剤を樹脂に添加すると、酸化被膜分解時に生成される水により、気泡の発生が生じ、金属フィラーの溶融凝集に伴う自己組織化を阻害する。 2)樹脂中の活性剤による金属フィラーの酸化被膜分解に伴い、樹脂の硬化が生じるため、活性剤の量を気泡の発生が生じない程度に少なくし、さらに、樹脂の硬化が進まない温度で酸化被膜の分解を行う必要がある。 3)金属フィラーの溶融温度より低い温度で予備加熱を行い、酸化被膜の分解を行うことで、樹脂の硬化の影響を受けることなく、短時間で金属フィラーの溶融凝集を達成させることができる。 4)金属フィラーの溶融凝集の駆動力となる因子として、熱対流が考えられるが、熱流体解析を行った結果、本プロセスにおける実装間隙(200μm以下)では、樹脂の熱対流による金属フィラーの流動は生じないことを明確にした。 5)金属フィラー含有樹脂をガラス板で挟んで行った直接観察実験により、酸化被膜分解過程で金属フィラーが流動していることを確認した。 6)金属フィラー表面の酸化被膜分解時には、金属フィラーと樹脂との間の界面エネルギー変化があり、この界面エネルギー変化をモデル化した粘性流体解析により、金属フィラー表面の界面エネルギー変化により金属フィラーが流動を行うことを明確にした。
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