研究課題
培養型プレーナーパッチクランプ技術を基盤とする、世界初の神経細胞ネットワーク素子の製作と応用を目指して進めた。最終年度として"素子の実用化"実現に必要な技術課題の解決に重点を置き、安定電極の開発、マイクロ流路による細胞配列制御技術開発、多チャンネル化技術開発、電流計測用集積電子回路開発、高効率光感受性イオンチャンネルの開発、レーザー励起による活動電位発生技術開発を重点的に進めた。特に、(1)従来パッチクランプ電流計測の成功確率を落としている原因が、電極が励起光に応答することおよび電極と計測溶液との界面電位変動にあることを見いだしこの問題を解決した電極として、ソルトブリッジ型のAgCl/Ag電極の開発に成功した。また、(2)マイクロ流路技術について、両面ホットエンボスに必要な電鋳モールド製作と、その後のDeep Xray Lithography (DXL)のによる微細貫通孔形成に必要な高精度X線露光マスクの製作に見通しを得、実際マイクロ流路構造によりセンサーの微細貫通孔部に細胞を設置し、レーザ励起によりチャンネル電流を計測することに成功した。また、(3)HEK293細胞に高効率光受容体チャンネルを遺伝子導入しクローニングすることに成功した。さらに(4)ChR2を発現したC2C12細胞を用いレーザー励起による活動電位の発生に成功した。これにより、プレーナーパッチクランプ法により単一神経細胞機能解析素子を製作するに必要な要素技術をすべて開発することを達成した。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (16件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件)
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