研究課題/領域番号 |
19201033
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研究機関 | 独立行政法人防災科学技術研究所 |
研究代表者 |
長坂 俊成 独立行政法人防災科学技術研究所, 防災システム研究センター, 主任研究員 (20338213)
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研究分担者 |
池田 三郎 防災システム研究センター, 客員研究員 (40026307)
臼田 裕一郎 防災システム研究センター, 研究員 (60338241)
永松 伸吾 (財)ひょうご震災記念21世紀研究機構(人と防災未来センター), 研究副主幹 (90335331)
河井 孝仁 東海大学, 文学部, 准教授 (60407997)
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キーワード | 地域防災力 / リスクガバナンス / 可視化 / 自然災害 / WEB |
研究概要 |
本研究では、地域防災力を、災害リスクの不確実性に対する社会的な冗長性として捉え、「潜在的防災力」(平時のコミュニティの自治力・地域経営力)に裏打ちされた(事前の意図的な関係づくり)「直接的防災力」(防災を目的とした平時の事前対策)は、災害時に有効な災害対応力(不確実性に対する社会的冗長性)として顕在化する蓋然性が高いものと定義した。また、「直接的防災力」は、災害リスクの特徴に応じて、下からの補完性に基づき重層的(町内会単位、避難所単位、広域的住民コミュニティ単位)なネットワークが構築されている状態と定義した。リスクガバナンス(リスクの社会的な協治)が高度化されるために、主体間のリスク認知と現状の事前対策の充足度に対する評価の相違を示し、リスク認知に基づき、不確実性に対応する社会的冗長性の必要性とそのレベルを相互に理解することが求められ、社会的冗長性として、災害対応及び事前の減災対策における協働関係の多様性や社会資源の調達レベルに関する対話を促進することが求められる。 そこで、本研究は、地域防災力向上を目的として、災害リスクガバナンスの再編・高度化に資するリスクコミュニケーション手法を研究し、それらをWEBに実装しその有効性を評価するものである。今年度は、WEBを用いて、地域の災害リスクガバナンスを支える多様な主体間の協力・連携関係を可視化する手法とシステムを開発した。さらに、町内会単位の自主防災組織や住民主体の避難所運営組織を対象として全国8箇所で実証実験を実施し、本手法とシステムが、地域防災力の向上に向けた多様な主体間の協働関係の形成に寄与するか、潜在的な防災力としての平時の地域コミュニティのガバナンスとの意図的な関係づくりに寄与するかを検証した。3ヵ年の研究期間の最終年度として、実証実験を兼ねて公開実験を行い、研究成果を発表するシンポジウムを開催した。
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