研究課題/領域番号 |
19201039
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
堀本 勝久 独立行政法人産業技術総合研究所, 生命情報工学研究センター, 研究チーム長 (40238803)
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研究分担者 |
油谷 幸代 独立行政法人産業技術総合研究所, 生命情報工学研究センター, 研究員 (10361627)
冨永 大介 独立行政法人産業技術総合研究所, 生命情報工学研究センター, 研究員 (20357578)
吉田 寛 九州大学, 大学院・数理学研究院, 特任准教授 (60401262)
穴井 宏和 株式会社富士通研究所ITコア研究所, CAD研究部, 主任研究員 (20417520)
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キーワード | ネットワーク / グラフィカル・モデル / 記号計算 / 国際研究者交流 / 多国籍 |
研究概要 |
本研究は、過去の実験解析により得られた分子間の関連性に基づいて構築されたネットワーク構造と、そのネットワークを構成する分子について特定の条件で計測されたデータとの整合性を見積もる方法を、統計学及び計算機代数学に基づくアプローチによって開発し、細胞環境に応答して変化するネットワーク構造を明らかにすることを日的としている。 平成19年度は、それぞれのアプローチによる方法のプロトタイプの開発を行った。統計学に基づくアプローチでは、まず与えられたネットワークをグラフ理論に基づき部分グラフに分解した後、計測データから尤度を計算する。次に、類似グラフを多数生成して得られる尤度分布を極値分布でモデル化し、得られた尤度から整合性の有意確率を算出する。計算機代数学に基づくアプローチでは、まず、ネットワーク構造を微分方程式系にモデル化し、それをラプラス変換により代数方程式系に変換する。また計測データを指数多項式でフィッティングし、同じく代数方程式系に変換する。こられ2つの代数方程式系について最小二乗法の適用により、整合性を見積もると同時にネットワーク構成分子間の動力学的係数も推定する。 2つの新規整合性評価法の有用性を評価した。統計学に基づく方法は、大きなネットワーク構造について適用可能であるが、グラフ理論に基づく部分分解を行うため非巡回型ネットワークにしか適用できない欠点がある。一方、計算機代数学に基づく方法は、ネットワーク構造について制限がないが、ネットワーク構造が大きい場合計算量が膨大になる欠点がある。20年度以降、これら欠点の改良と実計測データへの適用により生物学的新知見の発見を日指す。 また、計算機代数学に基づく方法の国際的交流のため、Algebraic Biology 2007をオーストリアのヨハネス・ケプラー大学記号計算研究所で開催した。
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