研究課題
基盤研究(A)
従来の生殖工学の中心はメスであり、1960年代からの卵子・初期胚の培養・操作技術の確立と共に、雌性生殖細胞の研究は発展した。特にマウスにおいてはES細胞が広く個体レベルでの遺伝子破壊に利用されている。しかしながら、生殖細胞になることができるES細胞はマウスのみであり、卵の数がすくなかったり、脆弱な動物ではこのES細胞を用いた従来法を適用するのは困難であることから、個体の遺伝子破壊はマウスにおいてのみ行われている。唯一別の方法として考案された核移植法による遺伝子破壊は相同組換えの効率と核移植自体の成功率が極めて低いことから、現在はほとんど行われるに至っておらず、多くの動物では個体の遺伝子操作が不可能である。この問題点を克服するために、我々はオスの精子幹細胞の持つ可能性に注目し、これまで研究を進めてきた。我々はこれまでにglial cell line-derived neurotrophic factor(GDNF), basic fibroblast growth factor(bFGF)を用いることで、マウス精子幹細胞を試験管内で長期培養することに成功し、これをGermline Stem(GS)cellと名付けた。またこの細胞に遺伝子ノックアウト用のベクターを導入し、2006年にノックアウトマウスの作製に成功した。本研究においては、これまで遺伝子破壊の困難であった、3つの代表的な実験動物種(ハムスター、ウサギ、ミニブタ)のGS細胞株の樹立と、その遺伝子操作法の確立を目的とする。最終的には、その技術を発展させ、トランスジェニック・ノックアウト動物を作成する技術を確立する。
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