研究課題
重要な生命現象に関与する特定の遺伝子の転写は、個々の核内受容体のリガンドによって特異的に制御されており、その多くが癌、リウマチ、動脈硬化、糖尿病などの生活習慣病および自己免疫疾患や心血管系疾患の発症と治療に関与している。本研究では、個々の核内受容体が発揮する多彩な機能を特異的に制御もしくは検出する化合物を創製し、それをプローブとしたケミカルバイオロジー研究を展開することにより、核内受容体を分子標的とした創薬開発基盤を確立することを目的とする。本年度は以下の項目を行った。(1)VDRとカルボラン誘導体、胆汁酸誘導体との共結晶のX線結晶構造解析をすすめ、その結果をもとに、より高活性なVDRリガンドの設計、合成を行った。(2)変異受容体にも有効なアンドロゲンアンタゴニストを設計、合成し、T877A ARをもつLNCap細胞に対する増殖抑制効果を確認した。(3)プロゲステロン受容体リガンドとしてクマリン誘導体をみいだした。本化合物は溶媒特性により蛍光強度が異なる環境応答性をもち、PR機能解析もしくはリガンド探索のツールとして有用であることを示した。(4)疎水性置換基として、トリメチルシリル、トリエチルシリル基を有するレチノイド受容体リガンドを合成し、レチノイドシナジスト活性を有する化合物を見いだした。
すべて 2010 2009
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (20件) 図書 (2件) 産業財産権 (1件)
Psychopharmacol 202
ページ: 635-648
Cancer Res. 69
ページ: 3443-3450
ページ: 3927-3936
J.Controlled Release 136
ページ: 187-195
Biol.Pharm.Bull. 32
ページ: 1177-1182
ページ: 1166-1172
Biochim.Biophys.Acta- Gene Regul.Mech. 1789
ページ: 734-740