研究課題/領域番号 |
19201045
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
大船 泰史 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20142078)
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研究分担者 |
品田 哲郎 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (30271513)
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キーワード | カイトセファリン / iGluRsアンタゴニスト / カイニン酸 / 全合成 / グルタミン酸 / エステル交換反応 / HWE反応 / 不斉付加・環化反応 |
研究概要 |
天然由来として初めてのiGluRsアンタゴニストとして単離されたカイトセファリンは脳・神経疾患の治療薬のリード物質としてその価値と重要性が高い。全合成の完成により、21年度は(1) カイトセファリン活性発現に必要な官能基の特定のための各種類縁体や構造単純化モデルの設計・合成、(2) 強力な神経興毒であるカイニン酸の全合成及び(3) カイトセファリンやカイニン酸合成で開発した新規合成方法論の一般性の確認に取り組んだ。(1)ではカイトセファリンのグルタミン酸部分構造に含まれるC3位エピマー体及びエナンチオマー体の合成、さらには芳香族アシル部位の各種類縁体12種類の合成を行い、結合活性試験により、天然物も含め幾つかの類縁体が主としてNMDA型受容体に結合すること、3位水酸基の立体配置は活性に大きく影響することを明らかにした。現在、3位水酸基の役割を明らかにすべく、3-デオキシ体の合成を進めている。(2) ではカイニン酸に取り組み、短段階で全合成の鍵となる3連続不斉中心の立体選択的構築に成功した。プロセスの最適化とアクロメリン酸全合成への展開が次年度の課題である。(3) 上述の効率的全合成に導く鍵となった各種新反応についてそれらの一般性を検討した。エステル交換反応では、多様な官能基が存在しても、リン酸水素二カリウムは温和なエステル交換試薬として作用して、エステル基のみ化学選択的に反応することがわかった。新規安藤型のHWE反応の基質適用性や、不斉付加・環化反応についても検討し、これらの反応における立体選択性や有用性に関する知見を集積した。
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