申請者らが独自に開発した人工塩基対による遺伝情報の拡張システムを、進化工学の手法であるin vitroセレクション法に組み込むことにより、従来法では作り出すことができなかった高機能化した核酸を創製する新たな基盤技術を開発する。従来の天然型の4種類の塩基のランダム配列をライブラリーとして用いるin vitroセレクション法では、全ての標的分子に対応する核酸アプタマー(標的分子に結合する核酸分子)を得ることができず、またアプタマーが得られたとしても標的分子との結合能が低い場合も多い。この問題を解決するために、申請者が開発研究を進めている人工塩基対技術を用いて、ライブラリーに人工塩基を介して種々の機能性の置換基を組み込むことにより、核酸ライブラリーの充実を図る。そしてこれを用いた新たなin vitroセレクション法を開発し、種々のターゲット分子に対応した新規高機能核酸アプタマーを作り出すための基盤を確立する。そのために、(1)in vitroセレクションに利用可能な人工塩基対システムを開発し、(2)これを用いてライブラリーを作成し、(3)in vitroセレクションを実施する。
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