研究課題/領域番号 |
19201050
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
能登路 雅子 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (70164712)
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研究分担者 |
藤田 文子 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (50147005)
HONES Sheila 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (70206035)
吉見 俊哉 東京大学, 情報学環・学際情報学府, 教授 (40201040)
谷川 建司 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (10361289)
土屋 由香 愛媛大学, 法文学部, 教授 (90263631)
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キーワード | アメリカ / 文化外交 / 世界戦略 / 大衆文化 / プロパガンダ / メディア / 知的交流 / 異文化表象 |
研究概要 |
本研究はアメリカ文化外交をめぐる学際的連携拡大を目指して平成19年度に開始されたが、平成20年度は歴史的にも地域的にも範囲を大幅に広げる方向でプロジェクトが進展した。植民地・占領体制を通じた文化接触がもたらすローカルな共同体の言説・歴史認識へのインパクトに関する考察も本研究の主要テーマのひとつであり、昨年度は第二次大戦前後の南洋研究についても関連文献研究を進め、3月中旬には太平洋をめぐる政治・文化・移動の歴史と現在をテーマとしたシンポジウムを東京大学で実施して、アメリカから招聘したマリアナ諸島研究の第一人者であるキース・カマチョ教授を中心にサイパンにおけるフィールドワークを行ない、現地の研究者、教育関係者や博物館関係者を交えた公開シンポジウムや意見交換の機会を得て、新たな研究者ネットワークを広げることができた。アメリカの政治・文化的な影響のみならず、歴史的にスペイン、ドイツ、日本の支配を受け、現在も周辺の太平洋諸島およびアジア諸地域を背景とする多民族社会を構成し、重層的な文化アイデンティティを有するマリアナ諸島の状況は、歴史学、人類学、社会学など諸分野の知見を動員しつつ文化外交が一国の国益を超えた文化創造の装置として機能する実態を捉える本研究に多大の示唆をもたらすものであることを確認した。そして今後、文化外交のグローバルな展開およびローカルなレベルにおける主体的なエイジェンシー機能にも注目しながら、事例研究を文化外交研究の理論的な貢献につなげていくための基盤を築くことが出来た。
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