(1)本研究は、二千四百年を越える歴史を刻み、アジアを中心とする世界に広く伝播した仏教の経典および論書を対象とし、そこに用いられる主要な術語の意味をそれぞれの文脈において再検証し、その上で、学界の衆知を結集して、これらの術語を現代語として蘇生させ、仏教思想のより適確な理解に資することを目的とする。 (2)具体的には、インドにおいて成立した主要な経論-および中国、チベット、日本における撰述文献の一部-を取りあげ、そこに採用される術語の定義-あるいは主要な用例-を抽出し、比較考察を加えるとともに、それらの基準的な訳語を日本語と英語とで確定し、その研究成果をもって、学界における本格的な検討に向け、実質的な問題提起をなすことにある。
|