研究概要 |
本プロジェクト第二年度においては、「インド宗教思想の多元性と寛容」を思想的に検討する共通意識形成の基礎作業として京都大学大学院教授気多雅子博士、中国社会科学院孫晶教授、韓国ソウル大学金鍾瑞博士など国内外の研究者を講師に迎え、講演並びにワークショプを開き、有益な情報を得るとともに、今後の当該テーマにおける研究への協力関係を築くことができた。 また前年度に引き続きパウル・ハッカー(Paul Hacker,1913-1979)の"Inclusivism" and" Toleranc" in the Encounter Between India and The Westを基礎文献(一部は翻訳)の個別的な検討も行った。さらには、海外における現地調査も、インドをはじめ東南アジア各地で積極的に行い、文献収集のみならず映像資料などの収集も積極的に試みた。 個別研究では、研究代表者である釈悟震は「スリランカにおける仏教とキリスト教の歴史的対論」(『宗教研究』第357号,日本宗教学会)をはじめ、連携研究者山下博司は、"The Absolute as Luminosity: The ideal and movement of Saint Ramalingar"をJournal of Indian and Buddhist Studiesにて発表し、同じく連携研究者丸井浩は、韓国ソウルで開催された「第22回世界哲学者会議」において"Reasoning and argumentation as a bridge over inter-religious conflicts"を口頭発表した。また佐久間は、筑波大学で行われた第67回日本宗教学会において「ネパールの仏教寺院ブンガ・バハの宗教的空間にみられる表象」を、連携研究者保坂俊司は「寛容思想の比較宗教学的考察」の発表をおこなった。そして釈は韓国で、山下はシンガポール、奈良はインドへと当該プロジェクト遂行の為に現地調査研究を遂行した。
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